この世にもあの世にさえもさようなら、もちろんあなたの過去にもさよなら。 もぐら
希望などのありつる昔ぞ懐かしき、今ただ芋棒に腹満たしゐる。 もぐら
ストライクバックせむ、今帝国を。すでにヨーダに習ひしなれば。 もぐら
みかけのみきららと旨き米なれど、食ひては腹の痛みどほすなり。 もぐら
旧友は旧友なれども、けふゐしは悪賢げなるおやじなりけり。 もぐら
一年ぶり秋は来れども、我は鬱。季節のみにはあらじとぞ思ふ。 もぐら
秩父なる皆野の社長の愛娘。平成の世の紫式部。 もぐら
磁石一つ握りて山野を彷徨しゐし少年期。GPSなかりき。 もぐら
胸にありし炎はなべて灰となれど、ただひともとの紅き薔薇はも。 もぐら
夏は鬱になりてをれども、冬は燥と言ふわけでなきことぞ悲しき。 もぐら
夏の日はなつメロなど聴き、昨日より暑くなったと思ったりしている。 もぐら
前生は猫ならましかば、と思ひても、蛆かも知れぬ輪廻なりけり。 もぐら
お土産は指輪指輪、と言ひしかど、指のサイズを言ふを忘れつ。 もぐら
腹減りしころ、ドーナツの輪の中に何にも無きを、恨みけるかな。 もぐら
家の康の吉の宗のとふ人ら、多く眠り給へる輪王寺かな。 もぐら
北京奥運、ロンドンオリンピックとて、果たして東京五輪あらむか。 もぐら
若き頃、首になりなば輪タクをせむ、と思ひしに、今はそれ無し。 もぐら
人と手を繋ぎてくぐる茅輪ゆゑ、来む世も再び逢はむとぞ思ふ。 もぐら
銀輪、と囃せし頃は過ぎ去りて、今はカーボンファイバーめでたし。 もぐら
ちゑの輪を外しあぐねて、力づく曲げて壊して嗤はれにけり。 もぐら
人の輪を人の輪へとは言ふものの、壊れさうなる輪もありにけり。 もぐら
指を輪の形に丸めて、呉れ呉れ、とのみ言ひつのる人ばかりなり。 もぐら
首輪付けし猫あり。可哀そうなれど、飼い主ご都合ばかりなりけり。 もぐら
フラフープ回そうとしても回らずに、腰はぎっくり、目の玉回る。 もぐら
ポパイ吐くたばこの煙、輪となるは、漫画のみにはあらずとぞ知る。 もぐら
しゃぼん玉ぷかりと吹けば、輪とならず、虹色の珠となるぞめでたき。 もぐら
年輪を重ね重ねて幾千年、縄文杉は役立たずなり。 もぐら
侘びて侘びて、なほも侘ぶべきことの多き憂き世を輪廻がゆゑと言ふなり。 もぐら
ひたすらに輪は回り行き、世の人のなべては年を取りまさるなり。 もぐら
猿ならば良しとも、蛆ならわろしとも言はず、猫より輪廻せし身は。 もぐら
もの喰ふが楽しくなし、と思ふやうになり来て、老いの途に入りけり。 もぐら
訳ありのかほして実は何もなき、賢さうなる老いにてありたし。 もぐら
二人ならぬをし一人とふ。これはそも個とも孤独とも異なるものなり。 もぐら
二人ゐて何時か一人と思へども、こころはしらず二人がままなり。 もぐら
バイクならば二人乗りもあり、と雖、自転車禁止と言ふぞ悲しき。 もぐら
一人離れ来し、とは言へども現世は、四万キロを出でず、と言ふなり。 もぐら
色寒き北海ならし、英国は既に濡れたる霧立ちこめて。 もぐら
悲しとはえ言はぬものを、きのふゐし秋晴既に南へ去りて。 もぐら
ビター呑み納めなるかと思ひしかども、ありつきたりける昼間船かな。 もぐら
仕事するに良く昼寝また佳き船を、思はじ、と言ふ人ぞ多かる。 もぐら
欧州は意外と塩の多きこと。歩き過ぎゆゑ脚も吊りけり。 もぐら
アムステルダムにも南北線といふ地下鉄作ると。工事盛んなり。 もぐら
薫り高きゴーフルなれど、その実は塩多くして腹痛むなり。 もぐら
散策に思索を深めむとすれど、誤作ばかりの無為無策なり。 もぐら
すこしばかり真理に近くなりしか、と思へど迷ふ、大学の森。 もぐら
ひさしぶりの英国朝食なれど、しかし例の煮豆の無きぞ淋しき。 もぐら
何喰ふも英国物価は二倍なり。ユーロを入れぬ理由か、とも思ふ。 もぐら