■ウェブ歌壇選歌コメント■  タブ↓ シフトタブ↑
   
■三月コメント
2784:薄青き朝日に浮かぶ煙突ののどけき春のまっすぐな湯気 風蘭
煙突の数もすくなくなってしまった昨今ですが、やはり人の暮らしです。 もぐら
このころは煙突少なくなりにけり、つひに銭湯廃業したれば。 もぐら
公園に置き去られたるSLの煙突、さくらのけむり浴びゐる。 もぐら
2783:八朔の酸っぱさ満ちる口の中ふるさと偲ぶ早春の味 風蘭
いつのまにか春になってしまうものですね。 もぐら
あまり酸き蜜柑に、幼きの頃の飢ゑを、ひたすら思ひけるかな。 もぐら
寂しさが人生なりき、と思ひけり、伊予柑苦きを噛みにけるとき。 もぐら
■三月詠草
   
■二月コメント
2782:しなやかに花弁開きつそろそろと春の日差しにアイリス立ちて 風蘭
今年は暖冬だそうですが。 もぐら
けふの春ときのふの春をし分けむとて、紫にほふアイリスは開く。 もぐら
凛といふ一字をもちて春を裂くアイリス、無明を亡ぼさむとす。 もぐら
2781:狂い咲き菜の花匂う暖冬の立春近し朧月夜かな 風蘭
自然のめぐみも狂ったのか。 もぐら
何がゆゑに血流し給ひしか知らぬ如、東の邦の十字花黄なり。 もぐら
思ふほどの春ならじ、とて菜の花の見おろす潮目に親潮入り来。 もぐら
2780:弱き者雪の降り積む思いして心の果ては底無しの冬 風蘭
冬篭りの陰鬱な記憶を。 ○もぐら
あらむかぎり力しぼりて登り来し道はし、なべて雪に埋みたり。 もぐら
長き夜は夜なりけり、と我等無辜の民辿り来し道をし知らずや。 もぐら
■二月詠草
   
■一月コメント
2779:我もまた西に行きたしふわふわと心の果てに雪の降り積む 風蘭
今年は雪が少ないようですが。 ○もぐら
雪降らず雪の積もらぬ冬なれど、心凍てしは変らずなりけり。 もぐら
雪降らぬままに春来む歳ならむ、我またしばし老いずあらなむ。 もぐら
2778:新春に返信の無き友のこと募る不安を嵐と共に 風蘭
年賀状も大切ですね。 もぐら
年賀欠くゆゑをくだくだ述ぶるよりも、アケオメなりと平凡ならまし。 もぐら
今年また変らぬ年にてあらまし、と願ふがゆゑの年賀なりけり。 もぐら
■一月詠草
   
■十二月コメント
2777:風邪引いて弱き体にマフラーの5度増す温もり手編みなれこそ 風蘭
どうかお大事に。 もぐら
マフラーを何処に忘れしか。きっとその日より肺炎の菌ぞ入りにし。 もぐら
マフラーを手放すこと得ずなりしより、毎冬肺炎常態となる。 もぐら
2776:涙壺こころの奥に押し込めて柔らかな目のシワシワの母 風蘭
長寿たいへんおめでとうございます。 ○もぐら
ゐ給ひて、笑み給ひし頃の母のかほのみ思ほゆる、如月の朝。 もぐら
泣き給ふこともありしか。忘れたり。母は毎日笑み給ひけり。 もぐら
■十二月詠草
   
■十一月コメント
2775:時雨降る上野の森の秋の色ダリを求めて瞑想のとき 風蘭
やうやうに間に合ひけり、と思ひしに、既に閉館。時計歪みたり。 もぐら
チーズ時計の如くだれてゐるらしき美術館、開館なれどもことりともせず。 もぐら
ダリ展はたいへん楽しいです。 ○もぐら
2774:薄富士に溜め息ひとつ 胸の中 冷たい風がウフフと言った 風蘭
月見草の季節ではないので。 もぐら
すすきまた富士に似合ふと思ひけり、八合目まで雪積もるとき。 もぐら
いまは既に跡なくなりしオーム、つひに富士に似合はずなりきと思ふ。 もぐら
■十一月詠草
   
■十月コメント
2773:懐かしきめくるページのその中にセピアの四つ葉は跡付けており はなえ
若い頃の憧れが。 ○もぐら
願ひてしことは半端となりぬれど、四つ葉のクローバー健在なりけり。 もぐら
あるはずはないさ、と今はクローバーのはらっぱ見ても捜さなくなった。 もぐら
2772:秋桜の彩り咲くなか掻き分けて笑顔をつくり シャッターチャンス はなえ
今コスモスは花盛りです。 もぐら
秋の空を舞ふ如くなる秋さくら、けふまでなりし命知らずや。 もぐら
コスモスの花の命のいろいろに移ろふ。きのふはけふにあらじ、と。 もぐら
2771:鴨たちの光のなかに滑りゆく池の面ゆれ輝いて眩し はなえ
秋の光を反射して美しい。 もぐら
葱背負ふを忘れたるらしき鴨ら二三、無心に泳ぐを無心に狙ふ。 もぐら
鴨らしき羽音す。けふは知らぬ間に時雨るる里に我ゐたりけり。 もぐら
2770:早起きのゆるゆる過ぐる秋半ば熱きコーヒーと薄き朝焼け 風蘭
爽やかな秋の朝です。 ○もぐら
私にばかり悲しみの襲ひ来るを恨みて、熱きコーヒーを啜る。 もぐら
砂糖多く入れたるエスプレッソ啜り、けふまた南伊を旅行かむとす。 もぐら
2769:常にない笑顔の君の爆発を見守るだけの清(さや)き夕暮れ 風蘭
どういう気持ちでしょうか。 もぐら
コーヒーの熱きに怒り出しにける、君の背なには台風の雨。 もぐら
怒り鎮め給ひし人の薄笑ひの如き、けふの初時雨かな。 もぐら
■十月詠草
   
■九月コメント
2768:鉢植えの鬼灯ひとつまだ青く初秋の風をうけて侘しき はなえ
ほほづきをせがみて買ひてちゅちゅとせし、頃の我が子を懐かしみけり。 もぐら
長袖を恋ひし、と思ふころとなりて、ほほづきいよよ紅を増したり。 もぐら
急に秋めいて参りました。 もぐら
2767:日の落ちてそよ吹く風が草むらの虫の鳴く音が秋はこび来る はなえ
秋来ぬ、と先ず知りたるは、破れズボンより、ぬ、と顔を出す膝頭かな。 もぐら
わざと破きたるらしきジーンズより覗く膝小僧二つ、侘びしげなりけり。 もぐら
虫の音は寂しさが篭ります。 もぐら
2766:尾花立ちこぼれ咲きたる赤萩の風にゆられし子守唄かな 風蘭
子守唄歌ひやらむとして、あはれ、とうの昔に歌詞忘れけり。 もぐら
子守唄忘れし母に、ねんねん、と親守唄を歌ふ子ろはも。 もぐら
昔の思い出は何時までも。 もぐら
2765:秋の空踊る法被の山鉾の引き回す声高く弾けん 風蘭
お御輿を担ぐ男らの汗の香を、ふと運び来る秋の風かな。 もぐら
雨となりし祇園の祭は、なほなほに粛粛と行く長刀うるはし。 もぐら
山車は勇壮な祭の一駒です。 もぐら
2764:久々に若き血潮に魅せられて忘れじ色香今日の稲妻 風蘭
なほけふも若し若しと思ひをれど、人は爺いと思ふのみなり。 もぐら
青二才、など言ふ爺より、くそ爺と言ふ若者の数は多しも。 もぐら
雷様が怖い、という口実もありました。 もぐら
■九月詠草
   
■八月コメント
2763:炎天下あびて静かにしのぎおり漂いて涼し桔梗の藍 はなえ
ひたすらに桔梗の蒼を恋ひせしは、きのふとなりし今朝の露かな。 もぐら
亡き母の好み給ひしなりといふ桔梗に、けふの残り火を見る。 もぐら
ようやく残暑も収まってきたようですが。 ○もぐら
2762:帰省せず我が障害を詫びしとき亡き母しのび健在唱うる はなえ
生きてゐてなんぼ、と思へど三割の自己負担なほ重しとぞ思ふ。 もぐら
さらばされ、老いたる患者来ずとならば、大病院とて潰れむものを。 もぐら
どうかお大事に。 もぐら
2761:更け行きて微風かすめし汗の肌涼やかなりし草むらの虫 風蘭
虫けらでさへ歌うたふ秋の夜に、我が音ひたすら忍ぶばかりなり。 もぐら
きのふまで夏にてありし、と半袖をしまふに躊躇のこころありけり。 もぐら
秋が近くなって参りましたね。 もぐら
2760:薄墨のにじむ空より降りかかる光の雨と雷鳴の波 風蘭
じりじりとラジオに入り来る雷は、所在なげなる我驚かす。 もぐら
にぎやかにごろごろごろと過ぎ行くは、虎のビキニの女雷。 もぐら
今年は何故か強い雷雨が多いです。 ○もぐら
■八月詠草
   
■七月コメント
2759:あの夏の熱き砂上にさくら貝むかしの乙女うす紅染むる はなえ
何時までも若く。 もぐら
乙女たりし頃え見ざりしさくら貝、老いて見たりし旅ぞ嬉しき。 もぐら
紅に染めてありけるこころ何処ぞ、と昔の旅路を思ひたりけり。 ○もぐら
2758:せみ寄りぬ夏本番とセレモニー電柱にしがみ一頻り鳴く はなえ
今年は夏が遅いですが。 もぐら
この一世、かの一世とて鳴き分くるひぐらし、けふは秋立ちぬらし。 もぐら
知らぬ間に秋立ちけり、とひぐらしの声をしみれば青き空あり。 もぐら
2757:夏の花ベビーフェイスの色ゆれつ透明の花器ひかり染めゆく 風蘭
夏の花は涼しさを演出しています。 もぐら
夏の青き光に染まり行く花の色の如きの、恋をするかな。 もぐら
昔せし恋は何処、と人のゐしあたりを見れど夏の色なり。 もぐら
2756:暑き日にお好み焼きの青海苔の笑顔丸ごと生ビールかな 風蘭
ビールは愉しいです。 もぐら
夏の昼は芝生の緑を眺めつつ、工場直結生ビール旨し。 もぐら
塩の無き生ビールこそ佳かりけれ、あっと言ふ間に五六杯は呑む。 ○もぐら
■七月詠草
   
■六月コメント
2755:水無月の晴れの舞台に花しようぶ和ごころ染むや水かがみ揺れ はなえ
今年の梅雨は本当に雨が多く、花菖蒲も綺麗でした。 もぐら
むらさきにとどめ刺したり花菖蒲、その余の色は彫り浅くして。 もぐら
2754:盛り花の嫁より届く母の日の気くばり上手さわやかなれど はなえ
良いお嫁さんですね。 ○もぐら
気遣ひは一人前なり家の嫁。実家の母の差し金と知れど。 もぐら
2753:昼下り雨宿りする黒猫の三つ指つきて構え正しく 風蘭
ねこさんも濡れるのは嫌い。 ○もぐら
くろ猫のありとは知れど闇に溶けて、金目ふたつが現なりけり。 もぐら
2752:梅雨入りの沈み入る日の庭先の和みゆるしむ紫陽花の赤 風蘭
紫陽花も色が変わって行く七月です。 もぐら
いつか知らず赤に変容せし花の、雨嫌ひゐる文月はじめ。 もぐら
■六月詠草
   
■五月コメント
2751:かほり湯の時のくくりをラベンダーに心解けてきょうの日おぼゆ はなえ
野湯を好むゆゑは、冷たき外気中にゐしがひたすらぬるさ恋ふなり。 もぐら
ぬるき野湯に入りて狐のかほり嗅ぐとき、我野生のものに戻りぬ。 もぐら
お風呂は本当に緊張が緩みます。 ○もぐら
2750:支えあい尊きながれ風そよぎ青葉ひかりし語りべの縁 はなえ
語ることの多かる人はたふとかり。聞く耳持たぬ人ぞ卑しき。 もぐら
語りたきの多きはすなはち老いしなり、と言ふ人みづからやがて老いなむ。 もぐら
青葉の頃はとくに身にしみます。 もぐら
2749:我儘な焼きそばの端炙られて身をくねらせつ炭になりゆく 風蘭
お好みのお好みならぬ、焼き方にああのこうのと注文多くして。 もぐら
もんじゃ焼、どふいふもんぢゃ、と月島の路地から路地へと迷ひけるかも。 もぐら
お好み焼きはおいしいですが。 ○もぐら
2748:五月雨の白きツツジの道並は目にしむあかり元気信号 風蘭
五月すぎてやうやくさつきの花盛り、明日は写真を撮るべし、と思ふ。 もぐら
甘き蜜を恋ひくる虻を撮り込みて、さつきの接写に成功したり。 もぐら
交通安全にも気をつけて。 もぐら
■五月詠草
   
■四月コメント
2747:とほき孫祝いおくりて胸躍るゆきかふ声はまだ童なりぬ はなえ
婆様の祝ひといひて何が良きか、考えあぐねし五月空なり。 もぐら
婆様に赤ちゃんちゃんこ贈らむ、と思へどはたして受け取り給ふか。 もぐら
お孫さんの声は本当に楽しいです。 ○もぐら
2746:春風に枝はなれ来し花いかだ身を寄せ合ってながれ旅ゆく はなえ
花といふ短き世旅をするものに、しばしの紅を神や与へし。 もぐら
けふけふときっと待ちゐしはなびらの散り急ぐ、とふ春の雨かな。 もぐら
人の身もそのようなものでしょうか。 もぐら
2745:若芽出でひかる公園の赤青の滑り台にも黄砂かすめん 風蘭
今年は花粉は少なかったようですが。 もぐら
温帯は原則乾燥地帯なるを、さみだれ日本の人知らずゐる。 もぐら
ゴビの砂漠きっと桜を植ゑてみせる、などとふ気負ひの花見どきなり。 もぐら
2744:散策に疲れし我に健康を説く君の靴はさくら踏みつけ 風蘭
お元気で、また来年もお花見を。 ○もぐら
白さくらはなびら散りて、靴を入るる余地なくなりし公園の径。 もぐら
花よりは団子の季節となりにけり、赤毛氈にて抹茶呑むべし。 もぐら
■四月詠草
   
■三月コメント
2743:触覚の前髪ゆらしあふれでるピンクのえがお弾け跳ぶ朝 風蘭
けふよりは無限のマスの中に生きむ、入社式には黒衣の男女。 もぐら みずみずしい春の色彩。 もぐら
2742:散歩道犬糞よけて陽のあかりタンポポツクシ垣根のもとに 風蘭
犬が何処でくそをするかが判るやうになりけり、卯月の春雨のころ。 もぐら 犬の散歩にも清潔を。春の道です。 ○もぐら
2741:いぶきの野弥生のひかり集めては風花舞し土筆のぞきぬ はなえ
春など、と俗塵まみれの我をおきて、土筆は確かにそれ識りゐたり。 もぐら つくしんぼの季節。まちどおしい季節です。 もぐら
2740:老梅のふるさとの作紅白や時の流れに在りし日の父 はなえ
父の植ゑし白梅、けふは花つけてゐしかば、往にし父をしぞ思ふ。 もぐら 梅は懐かしい花です。 ○もぐら
■三月詠草
   
■二月コメント
2739:雛あられ口に含みて蘇る幼友達トランプ遊び 風蘭
懐かしい子どもの頃です。 もぐら
2738:温泉の山肌の雪ぬかるみて二人きりのヘアーピンカーブ 風蘭
トリノ五輪も終了してしまいました。 もぐら
2737:南天のかえる干乾び風冴ゆる 何処より来し百舌高鳴くや はなえ
冬枯れの鋭い風景です。 もぐら
2736:冬もえの紅零るる程に後れ咲く 窓知らせむや明る山茶花 はなえ
山茶花は、春の使者のようです。 もぐら
■二月詠草
   
■一月コメント
2735:トーストの溶けゆくバター見つめつつテレビの中は雪国の朝 風蘭
雨さへも降らぬ乾燥冷気なれば、しばし雪国を羨みにけり。 もぐら
本当に今回の豪雪被害、たいへんでした。 ○もぐら
2734:君といてリラックスできないなんて結露の雫追う視線ゆれ 風蘭
二人ゐてかくもリラックスし得るもの、と結婚するまで知らずありけり。 もぐら
硝子が不透明にて悩ましいです。 もぐら
2733:パソコンに筆持つマウス絵手紙の 水仙の笑み春遠からじ はなえ
マウス筆の如くに動かず、猫描けば虎の如くとなりにけるかな。 もぐら
今は水仙もパソコンで描かれるようになりました。もうすぐ春ですね。 ○もぐら
2732:冬とても白く積もらぬ穏やかに 豪雪地帯思い馳せぬる はなえ
雪少しばかり降り来、とはしゃぎゐし、幼き頃の懐かしきかな。 もぐら
今年は本当にたいへんな広域豪雪被害でした。 もぐら
■一月詠草
   
■十二月コメント
2731:日が落ちて色づく富士の立ち姿暗き部屋にも北風の音 風蘭
我が家より富士の御山の高ければ、この豪雪に埋みずあるべし。 もぐら
師走ですね。 ○もぐら
2730:今日の日の過ぐる時間の短さや寝屋に見る夢こころ寛ぎ 風蘭
風邪引きに嬉しきものは、年明けて仕事の減りて寝てもゐらるる。 もぐら
年末も落ち着いて過ごしましょう。 もぐら
2729:花も名を知らずして咲く可憐さに 迷い無きしや雄々しく揺れて はなえ
シクラメンとふ名西洋のかほりあれど、正月わが家に咲くぞ嬉しき。 もぐら
花の力を。 もぐら
2728:またひとつ重ねる歳の振り向きて 鏡の中のエルダリー見つめ はなえ
若き頃より鏡見るは嫌ひなり、まして古稀とやらいふこの頃は。 もぐら
確かな命を。 もぐら
2727:寒し世に清閑として咲く枇杷の 地道に灯り照らせ年の瀬 はなえ
枇杷の樹は去年はならずにありにけり。ことしは如何に、と待ちゐる初春。 もぐら
今年も豊かな稔りを。 ○もぐら
■十二月詠草
   
■十一月コメント
2726:寒き夜の華やかなりし電飾のおとぎの世界功の競演 風蘭
たいへん綺麗なミレニアムです。 ○もぐら
ミレニアム、とは言ふなれど人の頭人の頭に見れもせずなり。 もぐら
エネルギー節約のため消灯す、と。代りの電飾きらびやかなり。 もぐら
2725:臥しときのもろき魂さ迷いて包まれゆかん初恋のひと 風蘭
病気のときは昔に戻るようです。 もぐら
病みてゐてとと様のことぞ思はるる、ごま塩頭にやつれ給ひし。 もぐら
はは様の病み給ひしことぞ思はるる、なにかと涙を流し給ひて。 もぐら
2724:水鳥の泳ぎ筋引く池の面ファンタジックに小春日踊る はなえ
寒さが厳しくなって参りました。 もぐら
北の国へ帰れと言はで帰るべき、渡りの鳥ぞけふは嬉しき。 もぐら
残りたる柿喰ふ鳥を憎みけり、微かの秋を盗まるる如く。 もぐら
2723:道すがら群れて揺れるは枯尾花霜月の野に華やかさ増し はなえ
薄はしろがねに輝いて。 もぐら
しろがねの穂ひかる堤の道すがら、恋ひゐし君が宿の方見つ。 もぐら
夢の如くしろがね芒の荒れ野行き、我が恋とふを思ひけるかな。 もぐら
2722:リハビリの厳し山坂四ヶ月退院の途に見せばやの花 はなえ
どうかお大事に。 ○もぐら
すこしばかり接着剤にて付けたり、と言ふが如くの手足動かず。 もぐら
もう良し、と先生言へど、元の如く動かぬ手足は悲しかりけり。 もぐら
■十一月詠草
   
■十月コメント
2721:庭先のローズマリーの薄紫箒のあとに乱れ零れつ 風蘭
はなびらのこぼれた跡をはくのはたいへん趣のあるものです。 もぐら
紫苑落ちけふの風はし冷たかり、人の心と思ひはせねど。 もぐら
昼飯、と呼ぶ声あれど、我は秋のビールのかほりをなほ恋ひゐたり。 もぐら
2720:会席のおめかしなどのあれこれと惑いあぐねし秋の空かな 風蘭
今日はどういうお席でしょうか。たいへん楽しみなものです。 ○もぐら
ひさしぶりにくれなゐなどをまとひたき、秋立つ空の蒼の色かな。 もぐら
黄金なすミズーリの野も、けふの朝の霜の白きに古り行きにけり。 もぐら
2719:屋上の風とたわむる朝顔や 揺れて和みし青空のもと はなえ
朝顔は、江戸時代からの趣味園芸ですが、楽しいものです。 もぐら
秋色はカンサスの野にも深かりき、名知らぬ樹々は黄金まとひて。 もぐら
悼むほどの心なけれど、我がやどの荒れ果てけるが悲しかりけり。 もぐら
2718:ベッドにて早朝の窓開けみれば 静けさの部屋蝉時雨かな はなえ
もう秋という風情ですね。 ○もぐら
あはれとも言ひてしひとの残り香の、そとにほひ来る秋の朝かな。 もぐら
にほひあらば、かの人なりと言ひてまし、うつつを知らぬ秋の朝かな。 もぐら
■十月詠草
   
■九月コメント
2717:秋風に昼寝もできず慌し洗濯物の温き夕暮れ 風蘭
秋の日は短いですね。 もぐら
けふ明日は洗濯せよ、とテレビ言ふ。但しイラスト主婦しゐるなり。 ○もぐら
2716:疑のこころ浮きつ沈みつ持て余しふと見上げれば満面の月 風蘭
なかなかフランクになれなくて。 もぐら
何億年浮かびゐるかは知らねども、月の笑ひしことあり、と聞かず。 もぐら
2715:瞳閉ず一瞬の間も時は過ぎ流るる星に夢を盗まる 船坂圭之介
夢は儚いです。 もぐら
足元を見ずにゐたれば、誤用とふ落し穴にぞはまりたりける。 ○もぐら
2714:俗世(ここ)からの出口のごとく闇に明く満月を閉じひとり眠らな 船坂圭之介
吸い込まれそうですね。 もぐら
お父さん、お月様消すリモコンは何処にあるの、と。可愛げも無し。 もぐら
2713:緋のいろに染まるこころや哀別の楽とし聴かん 遠き夕雷 船坂圭之介
今年は夕立が多かったです。 もぐら
ひとしきりごろごろ鳴りて去りて行く後に、秋風吹き入るるなり。 もぐら
2712:ひとなつをまた流しゆけ夜を徹ししとどわが血のごとき濁流 船坂圭之介
夏休みも終わって。 もぐら
再びは蘇ることなき悲しみの汚濁の街を、けふは去りなむ。 もぐら
■九月詠草
   
■八月コメント
2711:夕涼み蜘蛛の巣がきに見惚れ居て掛かりし虫も息ひそめたり 風蘭
蜘蛛も虫も一生懸命なのが哀れ。良く見ておられます。 もぐら
虫も何を思ひゐるらむ、けふよりは野分のきつく吹くべしと言ふ。 もぐら
2710:盆休み透明な菓子ひと匙で壊されてゆく楽しい会話 風蘭
水羊羹ですか。なにか不安定な人間関係のようです。 もぐら
お中元水羊羹たうに無くなりて、口の淋しき盆の明けかな。 ○もぐら
■八月詠草
   
■七月コメント
2709:耳鳴りと気怠き体持て余す朝は眩しく虫群れており 風蘭
夏は朝寝をしたいもの。 もぐら
西よりの風吹く今朝は、蝉さへもやうやく秋の気を知りぬらし。 もぐら
2708:悲しみの映画選びし友といて流す涙に我ら平和なり 風蘭
現実は相変わらず厳しいですが。 もぐら
事故テロと怖きことのみ多き世に、怖き映画に金払ふ人。 ○もぐら
2707:指先に届く高鳴り胸おさへあふるる心向日葵の下 橘真知子
夏の思い出は懐かしいです。 もぐら
風の中、なほひまはりは咲きゐたり。大なるまなこ大きく揺れたり。 ○もぐら
2706:とほさこそあれど言葉のゆきかふはけふ初めてと楽しみにせり 橘真知子
電話はいいものです。 もぐら
きのふ逢ひしなれども、けふは遠く往にける友よりの、メール変らず。 もぐら
2705:夏の朝とったばかりの泥の瓜 朝露に濡れ見るも涼しき 鳳仙
西瓜もいいです。 もぐら
瓜採りて味噌汁の実にせむとせし、田舎の夏は懐かしきかな。 もぐら
2704:ひんやりの壁に足裏おしつけて 昼寝楽しむ午後のひととき 鳳仙
壁の利用もいいです。 もぐら
昼寝して悪しき夢みて目覚めれば、ごきぶり一匹頬を這ひたり。 ○もぐら
■七月詠草
   
■六月コメント
2703:大往生安らかなれど雨強く未練がましき紫陽花になり 風蘭
なかなか梅雨があけません。 もぐら
きのふとは異なる世ぞ、と色かへて、往ね、とばかりに誇る紫陽花。 もぐら
2702:ふるさとに宿とり行きて事忙し柳の風はひとときの友 風蘭
ちょっと寂しくて。 もぐら
友にあらば恋ひてむものを、風の侭に揺るる柳の絲ぞ悲しき。 ○もぐら
2701:夕凪の池に立ちたる青鷺の脛をハタハタ打ちしさざ波 鳳仙
もう姿も見えなくなりました。 もぐら
けふはまたことなかりし、と言ふが如く、ラウンドポンドに鴨泳ぎゐる。 ○もぐら
2700:丹精の牡丹衰え散り落ちて 地に二三片重なり合ひぬ 鳳仙
蕪村さんも喜ぶでしょう。 もぐら
くれなゐを誇りし牡丹けふ散りて、夏の風吹くふるさとの家。 もぐら
■六月詠草
   
■五月コメント
2699:つやつやと赤きゼラニウム咲き乱れツバメ飛び交う視線の先に 風蘭
明るい五月になりました。 もぐら
君知るや、ペラルゴニウムの薄く紅き花弁に女の夏あるなり、と。 ○もぐら
2698:暗闇の五月の風は不機嫌でさ迷いわめくガラスの孤独 風蘭
悪い天候がつづきます。 もぐら
迷ひ烏、ゆゑ知らずして我がやどの硝子まどへと正面衝突。 もぐら
2697:退院の車窓に見る山法師素朴な花に癒される午後 窓蛍
快復おめでとうございます。 もぐら
見ることのあらじと思ひし山つつじ、退院の途次咲きしを見たり。 ○もぐら
2696:バチカンの選挙戦は根競べ白い煙が棚引くまでは 窓蛍
ベネディクト新法皇決定。 もぐら
旨き酒を精魂込めて蔵仕込、作り酒屋は根くらべなり。 もぐら
2695:バラ咲きて癒しの香り我が庭に 幾歳育てし我が子の如く はなえ
薔薇、綺麗ですね。 もぐら
嫁ぐ子に薔薇根分けして持たせたし、変らぬ愛の証にあれば。 ○もぐら
2694:新緑の初夏の空にて仰ぎ見る あげ雲雀鳴くや麦秋の畑 はなえ
冬麦も少なくなりました。 もぐら
麦秋と季語には残れど、冬小麦なくなりにける昭和平成。 もぐら
2693:滝音につい誘はれて道の辺にホロホロ散れり山吹の花 鳳仙
山道はたのしいです。 もぐら
滝を見むとして辿りし山みちに、人待ち顔の山吹の花。 もぐら
2692:お茶漬けの沢庵すべて噛み切れず我が衰えを悟りたるかな 鳳仙
歯はとても大事です。 もぐら
歯の残る限りの命と医師は言へど、今朝も一本奥歯欠けけり。 ○もぐら
■五月詠草
   
■四月コメント
2691:これ以上続けることの詮なきを別れる事で答えをだしぬ 翔子
言ふすべの無くなりしことばの二三、なほ片隅にゐる心かな。 ○もぐら
どうかお倖せを。 もぐら
2690:解散で迎え待つ人横目にし揺れるネオンはバスの中から 風蘭
解散を心待ちにし我がゆゑは、車中に呻りし缶ビールなり。 ○もぐら
打ち上げ会を。 もぐら
2689:木の芽立ちうす桃色の山裾を丸く波打つ高速道路 風蘭
木道をのどかに歩みし我はまた、高速道路に自然壊しつ。 もぐら
春の遠景は、いつ見ても美しいです。 もぐら
2688:春霞ため息ばかりモヤモヤと日がな一日うろうろ就かず 風蘭
ため息をつくほど寒きけふの春、炬燵しまふを一日延ばしす。 もぐら
春愁。 もぐら
2687:携帯がブルルと鳴れば仕事中 気にするあまり手は2倍速 きくりん
社長いはく、仕事中にては禁ケイタイ。されど気になるあの子のメール。 ○もぐら
着メロよりはましかも。 もぐら
2686:桜落ち 見上げる者ははやおらず 君は花踏み道を急ぐよ きくりん
何時までも咲く花じゃない人。君は桜前線越えて北へと。 もぐら
花見気分はおしまい。 もぐら
2685:山路来てふと見付けたる紫の心ひかるるすみれ草かな 鳳仙
ゆかしくてゆくすべなきをすみれ花、しばし哀れめ、春の山路に。 もぐら
とても可愛い花です。 もぐら
2684:春の空昨日の凧は今日も又同じ所に泳ぎをるなり 鳳仙
糸切れし凧はいづくに行くらむか。きのふもけふも知らずありけり。 もぐら
徹夜凧です。 もぐら
2683:満開のトンネル出でてさくら観の 来年またねと友と約束 はなえ
来む年も花をし見むか葉を見むか知らず、命のあるがままなり。 ○もぐら
なかなか表現が難しいです、幼稚なものになりますが、初めて短歌を書いてみる気になりました。宜しくお願いいたします。 はなえ
花はまた同じでしょう。 もぐら
2682:孫の春背よりこぼるるランドセル のびのび活きよ向日葵の如し はなえ
ばあちゃんの懐頼りの馬鹿息子、かはゆき孫ゆゑこの際許す。 もぐら
長男の子供が早くも入学の時期となり初めての孫を抱いた時のことを思い出しました。 はなえ
太陽を向いて。 もぐら
2681:エンドウの時空を越えて甦るワインレッドにロマン求める 窓蛍
花待ちてえ知らぬままに、現世は青葉若葉となりにけるかな。 もぐら
人生頑張ろう。 もぐら
2680:こころざし半ばで降りる仕事場に心残りの背に桜散る 窓蛍
退職金とても僅かなる額なれば、し残し仕事に心残れり。 ○もぐら
新しい可能性を。 もぐら
2679:のどかなる春の畑を打つ男 姿見えねど鍬のひらめく 鳳仙
山里に畑打つ男、見ゆるとも見えずとも知らぬ、春霞かな。 ○もぐら
今は耕運機で。 もぐら
2678:四方より風に乗り来る花吹雪 落ちて浮かべり池のさざ波 鳳仙
散り積もり吹き寄せられし花びらの、堆高ければ春は往ぬめり。 もぐら
とても美しい春の水です。 もぐら
■四月詠草
   
■三月コメント
2677:再婚の夢語る友ゆるやかな日差しの中の沈丁花かな 風蘭
しみじみとはなしを聞くに良き日なりき、八重の桜も咲き初めゐたり。 ○もぐら
とても印象深いお歌です。 もぐら
2676:気管支をかき乱したる春がすみミモザの黄色鮮やかなれど 風蘭
酔ふほどのかほりの高き沈丁花なりき、と若き頃をし想ふ。 もぐら
ミモザも花粉症の原因でしょうか。 もぐら
2675:遺されし『黒い卵』を受け継ぎて雛巣立たせむあなたの空へ kotou196
翼持つ者はいつしか帰り行く、大空と言ふ不定の中へ。 ○もぐら
栗原貞子様どうか安らかに。 kotou196
新しい生命の発展をお祈り致します。 もぐら
2674:夕暮れに石焼き芋の売り声が静けさ破り腹の虫鳴く 窓蛍
なに一つ食ふもの無かりし夕焼けの、ひたすら赤くありしを想ふ。 ○もぐら
最近はお芋も高価になりましたが。 もぐら
2673:気がつけば白い車で運ばれてバレンタインのチョコも食べず 窓蛍
上げやう、と思ひしチョコを網棚に忘れて仕舞ひし渋谷駅かな。 もぐら
どうか早く快復されますように。 もぐら
■三月詠草
   
■二月コメント
2672:行く春の青き若葉にためらひて 遅く咲きたる八重桜かな 鳳仙
八重桜咲くをし待たで往にし人の心し思ほゆ、春の昏れ方。 もぐら
2671:一輪にまた一輪と咲く梅の 薫る紅にも暖かさ増す。 鳳仙
今年は春が遅いようです。
薫り高き梅の種類を植ゑ給ふ、隣家のお裾分けなる春かな。 ○もぐら
2670:チョコレート想いを詰めてラッピングいとしい人の雪解けを待つ 風蘭
レシピ通り融かせしチョコはぐずぐずとなりて、せむなくみづから食ふも。 もぐら
2669:すれ違う人のにおいに惹かれしは膏薬貼りし母のぬくもり 風蘭
懐かしいお母様です。
膏薬は匂ひが有効成分と。毛嫌ひせられて爺は悲しむ。 ○もぐら
2668:木洩れ日の窓を通して顔に浴び木々の向こうに春の気配す 窓蛍
春とふを知らずありにし山がつの、心を融かす薄霞かな。 もぐら
2667:深々と凍てつく月に夜鍋して遠くで汽笛が聞こえて侘びし 窓蛍
今日もがんばろう。
青雲の志もて乗りたりし、夜行列車は廃止されたり。 ○もぐら
2666:欲しかりし書なれば前の持ち主の名前のあるも親しかりけり 浜田道子
前の持ち主はどう読んだのだろう。
小綺麗なる蔵書印は押してあれど、読まれし形跡無きぞ悲しき。 もぐら
2665:たまゆらの旅情を胸にきざまんと主婦の顔捨てて窓辺によりぬ 浜田道子
旅行をお楽しみ下さい。
主婦たるを忘れむとして旅に来て、百余の働く主婦に逢ひたり。 ○もぐら
2664:キャラメルがほどけるような旋律の甘い歌声 好き、きみが好き 日下部
甘いです。
義理チョコを貰ひしゆゑにはあらねども、義理キャンディを上げたき人あり。 ○もぐら
2663:黒猫と目が合う赤い夕暮れは首に吊した鍵が冷たい 日下部
独り者ばかりの街ゆゑ、昼はひま、夜はくろねこ大忙しなり。 もぐら
■二月詠草
   
■一月コメント
2662:水仙も一輪咲ける竹薮に鴬笹鳴く声親しかり よだ
ちちとばかり啼く鴬の声聴けば、春は近しと思ひけるかも。 もぐら
2661:腕相撲始めて吾に負けた日の顔浮かびくる父の命日 よだ
とても印象深いです。
我負かし給ひし父が太き腕の細り給へる病、悲しも。 ○もぐら
2660:路に落つる椿一輪一声も無しに止めたり吾が急ぎ足 月恋
不思議に気がつく。
落ち椿ひとつありしを踏みたり、と夢にも思ふ如月の宵。 ○もぐら
2659:澄みわたる空に機上の人となり窓や狭しと下界を眺む 浜田道子
我が街を機上より見しことありて、我が屋根見出でたりとて喜ぶ。 もぐら
2658:パーマかけて二日ばかりは仕事場の鏡しばしばのぞきていたり 浜田道子
心理描写が巧みです。
花けふは咲きにけりとは思はねど、鏡の中の我もそれなり。 ○もぐら
2657:あでやかな振袖姿ひとの子のうらやましきかな春の訪れ 風蘭
ほんとに! ○浜田道子
成人式は相変わらずめでたいです。
娘あらば孫のしあらばと思ひゐる、七五三なる神社境内。 ○もぐら
2656:物干しのかじかみし手にはぁはぁと吹きかける息しろく和らぎ 風蘭
冷たしと思ふ気持ちは無けれども、自転車風を切りつつ走る。 もぐら
2655:眼に入る景色を変えれば変わるのか そうでありたいそうではないか シラフ
見かけのみならで心を見るべし、と言へども子供うは面に笑ふ。 もぐら
2654:楽しさにとまどう我の悲しさを 誤魔化したくて喋り続けて シラフ
切ないですね。 ○浜田道子
そういうものですね。
悲しとふこと知り初めし頃は、ただ笑ひたしとのみ思ひけるかな。 ○もぐら
2653:七草の香り優しき粥を食べこの一年の健やか願う 窓蛍
貧しかりし我等が祖先の残し給ひける、七草の粥食ひにけり。 もぐら
2652:会津塗の屠蘇器を買って願い込め幾たび祝う年の初めを 窓蛍
本場物は高価で。
一年に一度のみの屠蘇祝ひ、我が家一年健勝を祈る。 ○もぐら
2651:単純に男と女であることを楽しく思う君と幾たび 遊
女なり男なりとふ今更に思はじ、太古よりあるものを。 もぐら
2650:薄汚れたビルの谷間にまだ見えるそのままでいてどうか雪富士 遊
どうかそのまま… ○浜田道子
まだ富士を見ることができる不思議。
富士を見る折の稀なる東京の空には、遠き赤き富士が嶺。 ○もぐら
2649:廃校跡コンクリ片は大切の遺跡のごとし深く埋もる よだ
そのままに放置されていて。
廃止せし小学校に、今もなほ子供ら遊ぶ如くに風吹く。 もぐら
2648:廃屋の生家の庭に仰ぐ星人は斯くして老いてゆくべし よだ
シーンとしました。 ○浜田道子
人ありしとふが如くに、崩れたる屋根組の下かまどありけり。 もぐら
■一月詠草
   
■十二月コメント
2647:今までに歩いた道にほたほたと いろんな色を落とし生きてる 日下部
七色の鉛筆使って日記書いていいのだけれど、誰もしないね。 もぐら
よいお年を。 もぐら
2646:淋しさに色があるならふと独り早く目覚めた夜明けのブルー 日下部
紺青から薔薇色に替わる五分ほどの時間が、本当の朝というのだ。 ○もぐら
新しい夜明けを。 もぐら
2645:雲間より光射し込む水仙の花叢ゆすり海の風吹く キチロウ
薄甘き風は吹きゐて、寒けれどやうやく春よ、と水仙言ふも。 もぐら
鮮烈です。 もぐら
2644:ビルの灯の彩り消えし秋の夜は白き砂漠の月の夜となる キチロウ
ビルの谷間ゆゑに、満月仰ぐことは、一年一度の仲秋の宵。 ○もぐら
懐かしいです。 もぐら
2643:残りゐる時を刻める砂粒に幽けき息を くちびるにゑみ 遼川るか
言ひたきの二三は残りゐるらしき、いさかひ果てて眠りゐる妻。 もぐら
心を鎮めて。 もぐら
2642:夜の海 内なる波も抱いたまゝちひさくなりて眠る夢、見む 遼川るか
さればとて、起こして喧嘩をするほどの心失せたる、駄目亭主なり。 ○もぐら
ねむたい。 もぐら
2641:父母の汗を吸いたる開墾地草木長けて荒野へかえる よだ
放置しある駅前農地は高く売れ、汗水吸ひし開墾地売れず。 もぐら
後継者の居ないまま。 もぐら
2640:父母に幼き吾も加わりて樹の根葛の根掘りたる開墾 よだ
葛の根の掘りても掘りてもある如く、我等が命も尽きずあらまし。 ○もぐら
昔の汗。 もぐら
2639:頼みごと受け止められぬ重きこと友といえども北風凍みる 風蘭
確かに凍みる。 ○浜田道子
なにもかも面倒を見て呉るるべし、と思ひゐる友は悲しかりけり。 ○もぐら
辛い友情。 もぐら
2638:シクラメン葉陰より出でる紅き花控えめなれど凛として立つ 風蘭
御垣守衛士の焚く火の昇り立つ如くに赤き、シクラメンかな。 もぐら
美しいです。 もぐら
2637:祈るごと新聞少年見送りぬ路面こおりし雪の朝を 浜田道子
一条のバイクの轍残りゐたり、なほ降り止まぬ去年よりの雪。 ○もぐら
頑張って。 もぐら
2636:着飾りて初詣する人群を避くるごと朝刊の配達急ぐ 浜田道子
元旦の新聞二百四十円。さなり、かくまで重くしあれば。 もぐら
二日はお休み。 もぐら
2635:息絶える場所を探しているのかもしれない ハートの形の落ち葉 朝倉美樹
ハートのかたちがつきすぎかも。 ○浜田道子
きのふからの涙に溶けずに残っている、心の中の小さい落ち葉は。 ○もぐら
春を待って。 もぐら
2634:手のひらに小さく涙のしずく描く 最後のデートにするおまじない 朝倉美樹
お別れのデートの料金、彼持ち、と決まったからには、やけ酒を呑む。 もぐら
また春を。 もぐら
2633:木枯らしの吹く頃池の鴛鴦は 日ごと姿の美しさ増す 鳳仙
確かに美しさが増して見える。 ○浜田道子
貴女ずっと鴛鴦よりも美しい、と言おう、かなりの皮肉を込めて。 もぐら
睦まじく。 もぐら
2632:出湯宿夜更けて時雨の音聞こゆ 犬も濡るるか遠吠えをして 鳳仙
下の句がよく好きな歌。 ○浜田道子
風呂で猫を洗へばぎゃおぎゃおうるさくて、顔二三箇所引っ掻かれけり。 ○もぐら
犬もお風呂に。 もぐら
2631:大鍋は欠伸いくつか吸い取って可も不可も無いビーフシチューあがり こだま
呑み残しワインを入れて、すこしばかりましなるシチューの出来上がりなり。 もぐら
奉行宜しくお願い致します。 もぐら
2630:退屈な夫婦喧嘩を一つしてカサブランカ一鉢を買う こだま
少しばかり昇給せし、とひさしぶり花やに寄りて薔薇の苗買ふ。 ○もぐら
偉くなくても。 もぐら
2629:淡々と一人の作業続けては 見上げた空の青さも一人 シラフ
リズムが良い。 ○浜田道子
きっと夜も同じく空は青いのだ、とあなたは信じられるだろうか。 もぐら
頑張って。 もぐら
2628:スタートのピストルの音聞こえずに 朝はゆっくり始まってゆく シラフ
皆が走りはじめた街の騒音と、まだ位置にさえついてない私。 ○もぐら
皆走り出している。 もぐら
2627:白鷺の姿優美な澄む川に餌を啄み冬の訪れ 窓蛍
鷺ゐたり、切り株黄ばみし田の面なべて、冬の姿になりつと思ふに。 もぐら
餌も淋しく。 もぐら
2626:気休めに妻と杖とで筑前路見納めになる冬の旅かな 窓蛍
玄海ゆ吹き来る雲の黒くして、博多は早も冬の装ひ。 ○もぐら
ゆっくりと温泉にも。 もぐら
■十二月詠草
   
■十一月コメント
2625:空を飛ぶ鳥よりきっとこんな日は空を飛んでるメールが多いよ 近染
面白い想像。 ○浜田道子
役に立たぬ蝗の大群のように飛ぶ、スパムメールは数ばかり増す。 ○もぐら
spamでないといいですが。 もぐら
2624:あの海で浮かんだセリフがでてこない同じ波は二度打ち寄せない 近染
きっとこう言えばよかった一言を、決して二度と思い出せない。 もぐら
ただ一度。 もぐら
2623:心して食べよひとつを産むごとに陣痛はある鶏といえども るり
本当にそうだ。感謝しなければ。 ○浜田道子
親子丼と言ふは残酷と思へども、平気なる顔に子ら食ふなり。 ○もぐら
けろっとしてますが。 もぐら
2622:生まるれば双子だったと思いつつ目玉焼きの黄身三つ平らぐ るり
生卵、料理と言へぬかもしれぬ。されども我は一等好きなり。 もぐら
三つ子。 もぐら
2621:夜な夜なに夢にし見ゆる愛しけやしあに忘らじか朝な朝なに 空舟
ゆめに見しとうつつに忘れゐるままに、浅き恋はし泡と消えけり。 もぐら
一日中。 もぐら
2620:かれんとや咲きけむ花のなかりせばなんして君とこそかれぬらむ 空舟
花咲きしばかりの人ゆゑ、なにもかにも知らず、と言ふがいとしかりけり。 もぐら
綺麗な花。 もぐら
2619:夕せつな茜に咽ぶ二日月あはれ情けの日をや追ふめり 空舟
けふは茜月をし見たり、人知らぬままに恋ひ初めゐたりし人を。 もぐら
切ない。 もぐら
2618:月草のためしに染めけん恋絵巻君知るらめや露つつむとは 空舟
恋ふ恋ふと連ねしゆゑに、水茎の跡さへけふも濡れしままなり。 ○もぐら
頑張って。 もぐら
2617:渡る時は知らず渡つてしまふだらう まだ爪先が触れぬ濁流 遼川るか
二度と渡ることない川だ。渡ったら戻れないという川なのだから。 ○もぐら
気をつけて。 もぐら
2616:黒髪に月の光といふ霜が降る 残酷をひとつください 遼川るか
きっと人の黒い髪さえ濡らすだろう、今宵の冷たい月の光は。 もぐら
大事に。 もぐら
2615:柿の種スパッと切れて白目向く味は上々満ち足りて好し 風蘭
柿赤き二三が梢に残りゐる秋、山里は懐かしかりけり。 もぐら
美味しい。 もぐら
2614:草刈機ひびき渡りて脱穀の思い馳せゆく田園風景 風蘭
早稲田はやきのふ刈られてしまひけり、秋来る早き奥山の里。 ○もぐら
晩秋。 もぐら
2613:ひたすらに夢の中にて世辞を言う吾が分身は詐欺師やも知れず 浜田道子
世辞ひとつ言ふをえざりし若き頃の心思ひて、今もえ言はず。 ○もぐら
真面目に。 もぐら
2612:左手を軸に下より持ち上げて重きチラシを軽々運ぶ 浜田道子
見ずに捨つるチラシ折り込む従業員の苦労思へど、今朝も捨てけり。 もぐら
ご苦労様。 もぐら
2611:ふと君がどうしてるかと考えるたとえばメール着信音に 月恋
メール呉れるぐらいだから彼暇なんだ、と出て見る私もやはり暇なんだ。 ○もぐら
着メロは騒々しい。 もぐら
2610:「充実」の二文字を想う日曜日 首までつかってとりあえずよし シラフ
とりあえず充実した日だった。 ○浜田道子
ひさしぶりにのんびりしたき日曜日、自分で締め切り設定するなんて。 もぐら
楽しい。 もぐら
2609:見上げれば両手を広げたような雲 我の代わりにラジオ体操 シラフ
雲の形、すぐ変わるという観察をしているときの、私の暇。 ○もぐら
健康を。 もぐら
2608:もういやだ百の励ましもらひても逃げたき日あり介護の場より えのころ草
わかりすぎるほどわかる。 ○浜田道子
介護とは逃げられぬゆゑに介護なり、と。せいぜい金を払ふぐらゐか。 もぐら
頑張って。 もぐら
2607:天地の創り出されし太古より 色は変はらぬ白妙の雪 鳳仙
白雪に多少の汚れを付くるとふ、大気汚染を我憎みけり。 もぐら
めでたい。 もぐら
2606:枝先にさびしく咲きし返り花 鳥もいぶかり突きをるかな 鳳仙
下の句の描写が面白い。 ○浜田道子
それぞれの季にそれぞれの花咲くは天の恵みといふにあらずや。 ○もぐら
秋ですね。 もぐら
2605:秋も暮れ白木蓮の葉がひとつ命の限り力尽くして 窓蛍
白菊の誇る如くして、晩秋は静かに冬に入りにけるかも。 もぐら
冬が近づく。 もぐら
2604:寝入るまで頭で指を折りながら浮かぶ言葉で詠むは楽しく 窓蛍
もろ人の思ふ如くを知りて詠ふ心は、けふも嬉しかりけり。 ○もぐら
31文字。 もぐら
2603:休日の日はこの足の痛まぬと夫は笑えり足叩きつつ 浜田道子
通勤は辛しといへり、夫けふ定年最後の出勤なるに。 もぐら
楽しそう。 もぐら
2602:朝早く仮眠の床に聞こえ来る電話のベルの激しき音が 浜田道子
しばらくの休息なれど誰かしらず電話をすなり、また勧誘か。 もぐら
おれおれ。 もぐら
■十一月詠草
   
タブで頭 シフトタブ↑